年収300万円でのマンション購入シミュレーション|物件金額やローン・諸費用を毎月の支出から考察
更新日: 2023.03.16目次
長引く不景気と非正規社員の拡大、さらにはコロナウイルスの流行による倒産などにより、低所得の社会人は増加の傾向にあります。
以前までであれば、年齢とともに右肩上がりであった年収も、今では鳥人間コンテストをほうふつとさせる低空飛行があたり前です。
一方で、不動産業界においては、これまたコロナウイルスの流行によって「おうち時間」が見直されたこともあり、土地も戸建ても分譲マンションも高騰の傾向を示しています。
そんな中で年収300万円台の低所得者は、マイホームを持つことができるのか。
データを見ながら考えていきたいと思います。
年収300万円で分譲マンションの購入はムリ?
そもそも、年収300万円で分譲マンションの購入は不可能なのでしょうか。
住宅ローンの金利を無視した単純計算でシミュレーションしてみます。
● 年収3,000,000円÷12ヵ月=250,000円(月収)
● 月収250,000円÷4=62,500円(月収の25%が住宅ローンとして支払える限度額とする)
● 62,500円×12ヵ月×35年=26,250,000円
金利手数料や諸費用を度外視した計算上であれば、およそ2,625万円の住宅ローンが借入・支払いが可能ですが、実際には2,000万円程度が境目となるでしょう。
このように見ると意外と年収300万円で、分譲マンションを購入することは不可能ではない気がします。
ただし月収250,000円のうち、住宅ローン62,500円+利息+管理費+修繕積立金などを、住固定として支払っていくのは、割合として大きな負担負担になるのも事実です。
そのため、年収300万円で分譲マンションを購入するのであれば、資金計画やシミュレーションは、他の方よりも入念にしておく必要があるでしょう。
データで見る年収300万円で分譲マンションを購入する方法
ひとことで分譲マンションと表現していますが、新築マンションなのか、中古マンションなのかによって、その価格帯は大きく異なります。
またワンルームタイプなのかファミリータイプなのかによって、維持費を含めて異なる点は注目するべきです。
なお、ここで使用するデータは、国土交通省が発表している『平成30年度マンション総合調査結果からみたマンション居住と管理の現状』を参考としています。
毎月の支払い可能な金額はいくらか
家賃は月収の30%までが無理のない金額といわれていますが、住宅ローンの場合は25%を推奨します。
これは、前述のとおり管理費や修繕積立金など、住宅ローン以外の支払いが発生することと、生活をするうえで緊急的に必要となる費用や貯金を考慮した金額です。
分譲マンションにおける管理費平均は217円(㎡あたり)であり、一般的なファミリータイプ60㎡であれば、約13,000円です。
また修繕積立金は約11,000円であり、合計すると毎月24,000円程度が必要となります。
このように考えると、年収300万円で分譲マンションを購入する場合、毎月の支払い可能な金額は自然と62,500円程度になるかもしれません。
また管理費や修繕積立金が少ない分譲マンションを選ぶ方法もありますが、管理費はマンションの管理状態に直結しますし、修繕積立金も同じく修繕計画に直結します。
この2つが正常に実施されないマンションは、資産価値の低下が著しくなる他、老朽化の促進や治安の低下が考えられます。
特に老朽化による修繕を実施する際に、積立金が不足している場合は「修繕積立一時金」として臨時徴収が実施されることもあるため『安ければ良いものではない』のです。
借入金額はいくらまでが妥当か
ここまでの条件を元にして、金利が1.625%の35年固定ローン(ボーナス払いなし)とすれば、住宅ローンの借入が可能な金額は、やはり2,000万円を下回る1,900万円後半程度となります。
この金額は、ワンルームタイプや中古のファミリータイプであれば、頭金が0円でも手が届くかもしれませんが、新築のファミリータイプは難しくなります。
毎月の返済額が少ないときは、利息の支払額が大きくなるため、できるかぎり借入額を抑えたいところですが、反対に100%借り入れをしなければ購入金額にたどり着かない傾向もあります。
そのため、いくらまで借り入れるかよりも、毎月いくらまで支払うことができるかを重視し、そのうえで借入金額を設定することを考えると良いでしょう。
必要な頭金はいくらか
頭金はマイホーム購入における最大の問題です。
なぜなら、マイホームの購入を検討する方の大半が「(購入するにあたって)いくらぐらい頭金をためればいいですか」と質問されるのですが、結論として今からためるぐらいなら購入したほうが良いからです。
毎月、家賃を62,500円払いながら30,000円をためるのであれば、毎月92,500円を支払うほうが住宅ローンを早く支払い終えることが可能です。
もしくは住宅ローンを62,500円支払いながら、30,000円を貯金する方法もあるでしょう。
頭金は多ければ多い方が良いのは当然ですが、それを後からためるぐらいなら1年でも若いうちに購入することがおすすめです。
総合的に見ると購入は可能だが、現実は厳しいか
ここまで年収300万円で分譲マンションを購入するためのシミュレーションや、データの読み解きを行いました。結論として年収300万円でのマンション購入は可能です。しかし、可能なのですが、難しいと感じるのも現実といえます。
やはり管理費や修繕積立金の存在も1つですし、先程のシミュレーションでは1.625%の金利を用いましたが、これが35年固定されるわけではありません。
どうしても5年後、10年後など固定期間が終了すれば金利が変動し、大きく増加する可能性もあります。金利が大きく増加すると、当然に毎月の支払いが増加するのですが、ここで余裕がなければ、たちまち住宅ローンの支払いが滞ることもあるでしょう。
共有名義で分譲マンションを購入する
それでは、実際に年収300万円台の方が分譲マンションを購入する際に、どのような手段を行っているのでしょうか。
1つは中古マンションなど販売価格を抑えたマイホームの購入、もう1つが家族の協力を得ることです。
夫婦共有名義を利用する
近年、主流となりつつあるのが夫婦で共有名義としてマイホームを購入する方法です。
具体的には、5,000万円の分譲マンションについて、夫婦で2,500万円ずつ借り入れる、または夫が3,000万円、妻が2,000万円を借り入れるなどです。
夫婦共有名義は住宅ローン控除を双方が受けられたり、不慮の事故が発生した際の相続税が少なくなるなど、税制面でのメリットが大きいことが特徴です。
ただし、離婚時にトラブルになりやすい方法でもあることは、注意をしておきましょう。
親子共有名義を利用する
親子が共有名義として分譲マンションを購入する際には、当初は親が住宅ローンを返済し、後に子どもが返済する「親子リレーローン」と、夫婦共有名義と同じように親子がそれぞれ返済する「親子ペアローン」が存在します。
どちらにもメリット、デメリットが存在しますが、夫婦で共有名義とするより年齢的にも親子共有名義はリスクが高いものです。
また兄弟がいる場合は「(兄である私は)一緒に住宅ローンを支払って苦労した」という考え方と「(兄は)住宅ローンを支払ってもらってズルい」という考え方が交錯し、遺産トラブルになることも少なくありません。
年収300万円でも分譲マンションを検討しよう
確かに年収が300万円と低所得世帯において、分譲マンションの購入は難しいかもしれません。しかし、紹介した共有名義や生前贈与など、いまは税制面でお得になる仕組みが多く用意されているので、諦めることはなく分譲マンションの購入を検討してほしいものです。
これから老後2,000万円問題を筆頭に、必ず資産を持つことが重要な時代がやってきます。
マイホームは何にも変えることができない大きな資産であり、将来の家賃支出を助けてくれることにもつながります。
資金計画とシミュレーションをしっかり行えば、難しいながらも年収300万円でもマイホームを持つことは可能です。
ぜひぜひチャレンジしてほしいと思います。
よくある質問
Q1. 年収が300万円の場合、マンションを購入することはできますか?
年収が300万円の場合でも、マンションを購入することは可能ですが、一定の条件を満たす必要があります。
Q2. どのような条件を満たせば、年収300万円でもマンションを購入できますか?
(1)頭金を用意することができる:頭金を用意することができる場合、住宅ローンを組むことができます。頭金が多ければ、住宅ローンの負担が減り、返済期間が短くなる可能性があります。
(2)ローン返済額が収入の3分の1以下である:住宅ローンの返済額が年収の3分の1以下である場合、住宅ローンの審査に通る可能性が高くなります。
(3)住宅購入費用に余裕がある:マンション購入に必要な費用には、頭金、仲介手数料、登記費用、保証料などが含まれます。これらの費用を賄うためには、十分な貯蓄が必要です。
Q3. 年収が300万円でマンションを購入する場合、どの程度の物件が購入できますか?
年収が300万円の場合でも、物件の価格によっては購入可能ですが、返済期間が長くなる可能性があります。一般的には、年収の6倍程度までの物件を購入することができます。ただし、住宅ローンの金利が高くなるため、返済総額が大幅に増えることがあります。
Q4. 年収300万円でマンションを購入する場合、他にどのような方法がありますか?
夫婦共有名義を利用する、親子共有名義を利用する、などの方法があります。
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