IT重説とは?気になるデメリットや当日の流れを解説
更新日: 2023.01.24目次
コロナウイルスの流行による働き方改革の一環として、テレワークが主流となりました。
このオンライン化の流れは、宅地建物取引士がおこなう重要事項説明も同様で、IT重説の需要も年々高まっています。
このIT重説は、2017年10月1日の法改正より可能となりました。
具体的に、今までは宅地建物取引士と賃借人が対面にて実施することを義務付けていましたが、IT重説では『対面と同様に説明や質疑応答が可能』であることを条件として、オンライン化が認められたものであり、実際に活用されるようになったはコロナ禍より以降のことです。
なお、IT重説が適用される範囲は、賃貸借契約に限られていましたが、令和3年3月からは売買でも運用が可能になりました。
参考:国土交通省 | 不動産の売買取引に係る「オンラインによる重要事項説明」(IT重説) の本格運用について
IT重説のメリット
IT重説は、現代の情勢に適した手法であり、多くのメリットが存在します。
そのため、以前のように重要事項説明を受けるためだけに、借り主(賃借人)が不動産会社に出向いていたことは過去の産物となっていくと思われます。
自宅で重要事項説明書を受けられる
あの独特で重苦しさを覚えるような、不動産会社の事務所にある雰囲気は、誰もが苦手に感じるのではないでしょうか。
そうした雰囲気の中で過ごすことなく、自宅のリビングや居室で落ちついた状態で、重要事項説明を受けられることは大きなメリットといえるでしょう。
あの息苦しい雰囲気のなかで、重要事項という「よくわからないこと」を説明されて、担当者に対して根掘り葉掘り確認することは、少しハードルの高さを感じます。
また、身体が不自由な方や体調が優れない場合でも、自宅であれば支障なく行えるようになる利点もあります。
コロナウィルス等への感染リスク軽減
重要事項説明をうけためだけに、不動産会社の事務所などを訪問する必要がないため、移動する手間や時間がなくなります。
コロナウイルスやインフルエンザなどのウイルスに対する感染予防としては、効果的な方法でしょう。
音声データを残すことが可能
オンラインツールによっては録音機能が、そもそもで搭載されているものがあります。
もし、ツール自体の機能として存在しない場合でも、自宅であればスマホの音声録音機能(ボイスメモ)などで代用することが可能です。
不動産会社に訪問した際に「ちょっと録音しますね」と断ってから録音することも不可能ではありませんが、なかなか面と向かって言うことは難しいものがありました。
トラブルが起きた際に音声があれば、それは証拠として強いものですし、何もなくとも安心できる材料です。
IT重説のデメリット
IT重説は歴史の浅い取り組みです。
そのため、世間一般的にも浸透しておらず不動産会社の担当者も精通しているとは、言い難いものがあります。
そのため、IT重説はメリットよりデメリットが際立ってしまうことで「面倒くさい」「いろいろと手続き(準備)が必要で難しい」と思われているのが現状です。
オンラインツールの導入が困難
IT重説はオンライン上で会話しながら説明を受けます。
ここで必要になるオンラインツールとは、機能としてLINEのビデオ通話と同じものをイメージすると、わかりやすいでしょう。
このオンラインツールは、テレワークの普及に伴い多くのサービスが知られるようになりました。
思いつくだけでも「Zoom」「Google Meet」「Cisco Webex Meetings」「Microsoft Teams」などなどがあげられます。
普段から使用しているツールであれば、問題はありませんが、不動産会社が使用するツールが別のものであれば、場合によってはインストールやアカウント登録から行わなければなりません。
不動産会社も慣れていない
そもそもIT重説を主導して実施する不動産会社も、オンラインでの説明に慣れているとは言い難い現状があります。
ユーザーの立場からすると「指定したオンラインツールの使い方は不動産会社が理解している」と思いますが、よく理解していない方が大半です。
また説明自体も慣れておらず、音声が途切れたまま進行したり、オンラインで手元が見えないにも関わらず「ここの〜」などと説明されることも散見しているのが現状です。
説明が簡略化されやすい
これはオンラインでの会議などでも同様ですが、説明する側から相手の反応がわからないため、どうしても一定のリズムで淡々とした説明になりやすいです。
どの部分で疑問に感じているのか分かりにくく、また説明を受けている側も途中で発言ができないため、説明自体が簡略になりがちです。
結果としてIT重説を実施した場合、重要事項説明が「ふわっとした感じ」な傾向にあることは、本来の目的から考えると不動産業界に課せられた大きな問題です。
IT重説の流れ
実際にIT重説を実施する場合、いくつか定められたルールが存在しています。
そのためルールに従った流れにそって、重要事項説明の説明を行う必要があります。
IT重説の利用に対して同意をする
まずは賃借人に対して不動産会社は、あらかじめIT重説の同意を得る必要があります。
不動産会社がコロナ対策などを理由に、IT重説の実施を考えていても、一方的に実施することは不可能です。
これは、たとえば80過ぎのシルバー世代にIT重説をするからね!は横暴が過ぎるという考えによります。
重要事項説明書を受け取る(郵送)
IT重説は、あくまで重要事項説明をオンライン上で実施可能とするものであり、書面を省略するものではありません。
そのため、重要事項説明「書」への「記名・押印」が必要となり、結果として事前に書面一式を受け取る必要があります。
当日は定められた手順で説明を実施する
重要事項説明の当日について、何点か決められた手順に従って実施します。
不明な点や、疑問に思うことがあれば、積極的に質問していきましょう。
映像と音声の確認
まず最初に映像が鮮明に表示されているか、相手側のカメラに問題がないか。
そして、音声がクリアに聞こえているかを確認します。
オンラインによる説明のため、ある程度の遅延は発生します。ここでは、遅延より声が割れるなど聞き取りにくい状態ではないことを確認します。
双方の身分証明書を提示
映像と音声の確認の後は、お互いの身分証明書をカメラに写すことで、誤りがないことを確認します。
重要事項説明は宅地建物取引士の有資格者が説明しなければなりません。そのため、宅地建物取引士免許を提示します。
その際に登録されている番号を含め、しっかりと伝えなければ『宅地建物取引業法の違反』となり、重要事項説明は無効です。
IT重説について改めて説明
重要事項説明を開始する前に、改めてIT重説について説明を行います。
ここで、同意を得て初めて重要事項の説明を開始することが可能です。
文字にすると難しく感じますが、慣れている担当者であれば1〜2分で完了するため、それほど構える必要はありません。
重要事項説明書を送付(郵送)
重要事項の説明に問題がなければ、確かに説明を受けた証として記名・押印を行い、不動産会社に返送します。
2022年5月より不動産取引契約も完全オンライン化が可能に
ここまでIT重説の説明をしましたが「ITと言いつつ郵送とかアナログではないか」と感じるかと思います。
この点について、2022年5月より法改正が行われ不動産取引についても電子契約が可能となりました。
ここで取り上げた重要事項説明だけではなく、契約書も含めて郵送は不要となり、すべてをオンライン上で締結します。
実際にはデータベース化を含めて不動産会社の準備、導入後の運用となるでしょうが、これからは映画の中の世界でしか見られないような、近未来的な契約行為が当たり前の時代が迫っています。
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