区分マンション投資のランニングコストは?確認ポイントや貸主の負担区分も解説
更新日: 2023.03.10目次
マンション投資の収支を計算する上でランニングコストが毎月どれくらいかかるかを把握するのはとても大切です。
ランニングコストまで考慮しなければ、検討している投資不動産をいくらで買うべきか、そもそも見送るべきかの判断は難しいでしょう。
また、賃貸開始後は、賃貸人(オーナー)が負担するべきコストと、賃借人が負担するべきコストがありますのでこれについても把握をしておくのがベストです。マンション投資をこれから始めようと検討中の方はぜひ参考にしてみてください。
不動産投資のランニングコストとは
不動産投資のランニングコストは区分マンションの場合以下が挙げられます。
管理費等
マンションの所有者になると管理組合の一員になるため、マンションを運営していく上で管理費と修繕積立金を毎月収めることになります。
管理組合は集めた管理費でマンション全体を管理してくれる管理会社に委託をしたり、修繕積立金を使ってマンション全体を修繕したりして、マンションの資産価値を維持していきます。
管理費等の4つの確認ポイント
- 金額が異常に高くないか、または低くないか、滞納がないか
- 修繕積立金がきちんと積み立てられているか
- 値上げ予定がないか、あるときは値上げ後の金額
- 専用庭やルーフバルコニーがある場合は、その使用料
固定資産税・都市計画税
不動産を取得した場合は必ず固定資産税・都市計画税が課税されます。
地域によって納付書が届くタイミングは違いますが、例えば都内であれば毎年6月に納付書が届いて、一括で納付するか分割で納付するかを選ぶ事ができます。
納付を忘れを防止するためには、口座引落がおすすめです。固定資産税の納付額を知りたい場合は、各市町村の都税事務所もしくは役所などの窓口で固定資産税等評価証明を取得すれば確認することができます。
賃貸管理料
マンション投資で賃貸の管理を管理会社に依頼した場合、メインの業務は家賃の集金と設備故障の一次対応です。
家賃の引き落としが出来なかった場合は保証会社への連絡などもやってくれます。
料金は賃料の5%くらいが相場ですが、定額制でやっている管理会社もあります。
修繕費用
室内の設備が故障した際に修理する費用や、入居者が退去した際の原状回復工事などの費用です。
仲介手数料
仲介手数料入居者の募集をして契約が決まった際に不動産会社に支払う報酬です。
不動産会社によっては広告宣伝料や委託管理料等と言ったりする場合もあります。
賃貸の仲介手数料は貸主・借主合わせて家賃の1ヶ月分しかとることができないため、呼び名を変えて報酬を受け取っているケースが多いです。
更新手数料
入居者が賃貸契約を更新する際に不動産会社が間に入って更新手続きをする時の費用です。
家賃の0.5ヶ月分くらいが手数料の相場です。
オーナーが負担するケースもあれば、入居者が負担するケースもあります。事前に契約書をよく確認しておきましょう。
投資用ローンの利息
融資を使って物件を取得している場合は、毎月の返済額に含まれている利息もランニングコストになります。
ランニングコストの目安
ワンルームマンションで月7万円の家賃設定のとき
- 家賃収入84万円/年
- 管理費等6万円/年
- 固定資産税等6万円/年
- 賃貸管理料4.2万円/年
- 仲介手数料7万円
となり、手取収入は60万円/年くらいとなります。
礼金を取ることが出来れば仲介手数料を実施0円にすることは出来ますが、それでも年間収入の20%弱はランニグコストで出ていく費用となり、入居期間が数ヶ月で原状回復工事にお金がかかる場合は収益率がかなり悪くなるので注意が必要です。
ランニングコストの種類
上記のランニングコストをタイプ別に分けると以下のようになります。
管理にかかる費用
賃貸管理料、マンション全体の管理費等
入居者対応にかかる費用
仲介手数料、更新手数料、修繕費用
税金・ローン返済にかかる費用
固定資産税等、ローン返済額に含まれている利息
ランニングコストを減らす方法
マンション投資にはランニングコストが色々かかることがお分かりいただけたかと思います。
そのため、マンション投資の成功には、ランニングコストをいかに減らすのかもポイントになってきます。
ここではランニングコストを減らす方法をご紹介します。
管理にかかる費用
管理費等
マンション全体の管理費等については、管理組合全体の話なので個人的に減らすことは出来ません。
そのため、管理費等が高い物件はそもそも買わないようにするのが一番の対策です。
例えば、総戸数が少ない物件は注意が必要で、ワンルームマンションで管理費等が月1万円を超える場合は管理費等が高いと考えた方が良いです。
賃貸管理料
賃貸管理料については、そもそも管理を依頼しないで直接ご自身で管理するというのが最もコストダウンに繋がります。ただし、保有しているマンションの数や、マンション投資の経験値によっては、コストをかけてでも管理を依頼した方が良い場合もあるので、慎重に検討しましょう。
入居者対応にかかる費用
仲介手数料や更新手数料などの不動産会社に支払うお金については半額などで募集してくれる会社があるので、そういった会社に依頼することで費用の節約ができます。
しかしながら、入居者を早く見つける、という観点から、不動産会社の売上が下がる行為はなるべくしない方が良い場合もあります。仲介手数料は安いけどなかなか入居者が決まらないのでは本末転倒です。
更新手数料については自分で管理をして、更新書類をご自身で取り付けをすれば更新手数料はカット出来ますが、これも書類を準備したり、契約期限を忘れずに更新書類を取り付けしないといけないので費用対効果が弱いかもしれません。
入居者対応にかかる費用で最も検討するべきなのは修繕費用となります。複数の内装業者から見積もりをとり、最適な価格で良い仕事をしてくれる会社を見つけることをおすすめします。ポイントは「安ければ良い」ということではないことです。
安いけれど施工が雑だったり、レスポンスが遅かったり、工事に入るのが遅いのでは頼む意味がありません。特に急に故障をした場合や原状回復作業は素早く対応が重要になります。必ず複数社を比較するようにしてください。
税金・ローン返済にかかる費用
税金については帳簿をしっかりつけて、経費を漏れなく計上するということに尽きます。
税理士に任せるのも良いのですが、ある程度自分でも勉強をしてどこまで経費として計上できるのか等を把握することが大切です。
また、マンション投資の規模にもよりますが、事業的規模に満たない場合は自分で確定申告をしてみるのも良いでしょう。
自分で申告すれば税金についても、会計についても理解出来るうえに、余分な経費も抑えることが出来ます。規模が小さいうちは自分で、規模が大きくなってから時間を節約するという意味で税理士へ依頼するのがおすすめです。
投資ローンについては定期的に金融機関へ借換えの相談をしましょう。返済の実績が長くなったり、収入が増えたりすれば貸してくれる銀行もあるので、積極的に借換え相談をして金利が安い銀行を探してください。
ランニングコストを計算するときの注意点
マンション投資にはランニングコストが色々かかることがお分かりいただけたかと思います。
そのため、マンション投資の成功には、ランニングコストをいかに減らすのかもポイントになってきます。
ここではランニングコストを減らす方法をご紹介します。
貸主・借主の負担区分を知っておく
原状回復工事をする上で、貸主が負担するべき範囲と借主が負担するべき範囲があります。
貸主負担
通常損耗による原状回復費用は貸主の負担になります。
例えばクロスが経年で劣化して張り替えをする費用等です。
借主負担
タバコを吸ってクロスが汚れたので張り替える費用や、借主の使用が悪くて壊れた設備など、借主に 過失があって起きた不具合や著しい汚れなどは借主負担で請求することが出来ます。
原状回復については、国土交通省がガイドラインを作成していますので、こちらも参考にしてみてください。
(参考:国土交通省 | 「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」について)
できるだけ詳しく見積もっておく
管理を不動産会社に依頼をしておけば、原状復帰工事の見積もりを貸主負担・借主負担で分かり安く見積もり を作ってくれることが多い傾向にあります。
親切なリフォーム業者であれば部材の仕入れ値と手間賃を分けて見 積もりを作ってくれる会社もあります。
原状回復をしてくれる業者にはなるべくわかりやすい見積もりを出して貰うように 依頼をしましょう。
よくある質問
Q1. 不動産投資のランニングコストには何がありますか?
管理費等、固定資産税・都市計画税、賃貸管理料、修繕費、仲介手数料、更新手数料、ローンの利息等です。
Q2. 管理費等を確認するときに気をつけることはありますか?
滞納や値上げ予定の有無、専用庭やルーフバルコニーがある場合はその使用料を確認しておきましょう。
Q3. 賃貸管理料はいくらくらいですか?
管理委託で3~5%、サブリースで5〜15%くらいですが、会社によるので複数社問い合わせてみましょう。
Q4. 修繕費で金額が大きいものは何ですか?
給湯器やエアコンです。また、設備が壊れて通常の居住が難しい場合は、修繕完了までのホテル代等を請求される場合もあります。
Q5. 節税でランニングコストを削減する方法はありますか?
経費をもれなく計上して確定申告をすることです。税理士に任せるのも良いのですが、ある程度自分でも勉強をしてどこまで経費として計上できるのか等を把握することが大切です。
まとめ
今回はマンション投資のランニングコストと貸主・借主の負担区分などについて解説させて頂きました。
マンション投資はランニングコストに色々な費用がかかるため、これらの費用を上手くコントロールすることが収益UPの秘訣になりますので、今回の記事が参考になれば幸いです。
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