失業・退職後に住宅ローンの支払いが苦しい...4つの解決方法
更新日: 2023.01.23目次
転職や失業により仕事を辞めた結果、住宅ローンの支払いが滞ってしまうことがあります。
最近ではコロナウイルスの流行の影響もあり全体的に失業率が伸びています。特に派遣社員や契約社員の雇止めの増加も話題となっていますが、正規雇用社員(正社員)の失業率も同様に上昇の傾向を示しています。
また転職や失業だけではなく、定年退職後に住宅ローンの支払いが困難になる世帯も少なくありません。
ここでは理由に関わらず、仕事を辞めた後に住宅ローンの支払いが苦しくなる要因と対処方法、そして事前にできる対策についてまとめます。
定年退職後に支払いが苦しくなる理由
60歳の定年退職まで一生懸命働いた後は、潤沢な退職金と年金で悠々自適に余生を過ごすという時代は、はるか昔の話となり、日本人の長寿化に伴い就労年齢も引き上がり続けています。
高年齢者雇用安定法の改正により、2012年には各企業の雇用義務年齢が60歳から65歳に引き上げられましたが、更に2021年の改正により70歳までに引き上げるよう努力義務が命じられています。
これは健康であれば元気に働いて賃金を得られるメリットがありますが、企業から見ると人員計画の見直しが必要となり、またシニア人材とも呼ばれる60歳から65歳までの賃金を確保するために退職金を見直す必要もあるでしょう。
また、広い目で見るとシニア人材によって若い世代の働き口が減ることにも繋がるなど、問題点も少なくありません。
さらに60歳を過ぎると身体が弱ってくるかも知れません。
雇用が長期化した一方で、公的年金の支給年齢も引き上げられたため、早期リタイアは無収入に繋がるため、これもまた住宅ローンの支払いを困難にさせています。
住宅ローンの計画に無理がある
金融機関によりますが、住宅ローンは「75歳になるまで」または「借入期間35年間まで」 が一般的です。他にもフラット40やフラット50とよばれる長期間の住宅ローンも存在しますが、定年退職後も住宅ローンを返済することは、そもそも無理があるかもしれません。
会社員の収入は60歳を過ぎるタイミングから右肩下がりとなるものです。
以前では晩婚と言われていた40代を過ぎての結婚も珍しくなくなり、そこから子どもを授かることも多くなっています。
その結果としてマイホームの購入も遅くなり、住宅ローンの完済予定年齢も同様に遅くなりがちです。
収入と支出のバランスが難しいところですが、やはり住宅ローンは60歳完済で検討することが、安全で安心の借入になると言えるでしょう。
ごく稀に『自分は長生きできないから、(健康を崩した際に貰える)保険金で住宅ローン完済する』など考える方がいますが、そうした方ほど健康で長生きするものです。
退職金で住宅ローンを支払いきれない
以前であれば60歳で定年退職となり、受け取った退職金で住宅ローンの残額を支払うことが一般的でした。多くの企業にて退職金の制度自体が見直しされており、定年退職となっても住宅ローンを支払いきることが難しくなっています。
そのため、退職後も住宅ローンを支払っていくことになりますが、仕事を退職しているため公的年金だけでは支出に収入が追いつかず、支払い困難になるケースが考えられます。
予定より支出が大きくなった
定年退職後に想定していた金額よりも支出が多くなることがあります。
健康面で問題が生じて医療費が膨らむこともあるでしょう。またマイホームに関する修理やリフォームが必要となることもあります。
さらに40歳以降に子どもを授かっている場合は、定年退職の後に子どもの大学入学となることもあり、収入減になってから支出のピークを迎えることがあります。
このように定年退職後、収入が減るタイミングと支出が増えるタイミングが重なることにより、住宅ローンの支払いが困難となります。
予想より収入が少なくなった
またマイホームの購入時に想定していた収入を下回ることもあります。
前述のとおり退職金の制度は見直しがされて減少の一途であり、公的年金の支払い開始年齢も60歳から65歳に引き上げられるなど、マイホームを購入した時と比較して、様々な要件に変化が生じているからです。
失業により支払いが苦しくなる理由
また自分の意思で会社を辞めた場合、また意図せず雇止めなど解雇されたことにより、住宅ローンの支払いが困難となることもあります。
特に倒産や業務縮小の煽りをうけて、企業側の都合により解雇となった場合は、そもそもの予測が難しいなかで世帯収入が下がることから支払いが困難になりやすいです。
転職先が見つからない
長い期間、景気の回復が見込めない現在において、新しい仕事を探すことは難しいものとなっています。
それでも、低賃金の仕事であれば存在するのですが、住宅ローンを支払いながら家族を養うのに十分なものとなると、募集数が少なくなります。
そのため1度、職を失ってしまうと新しい転職先を見つけることが難しく、長期間に渡って収入を得ることができないことが考えられます。
雇用保険の支給額が少ない
勤務していた企業において雇用保険に加入していた場合、離職事由に応じた待機期間の後に失業給付金が支給されます。
これは、あくまで無職期間の生活を保障することが目的であり、住宅ローンの支払いと生活を補うには十分とは言い難いものです。
また失業にともない、住居の支払いが困難であることが認められた場合に給付される『住居確保給付金』という制度が存在しますが、あくまで賃貸住宅の家賃を対象としており、住宅ローンには適用されないので注意が必要です。
退職により住宅ローンが支払えない場合の4つの対処法
失業や定年退職により住宅ローンが支払えなくなった場合、どのような対処法があるのでしょうか。
恐らく住宅ローンが支払えないということは貯金残高が少ない、また切り崩しており底が見えている状態だと思われます。
そのため一時的であっても支出を減らす、もしくは収入を増やすことにより、根本的な解決を目指す必要があります。
金融機関に相談して返済期間の延長、繰り越しを行う
住宅ローンは金融機関より借入を行い、毎月返済しているものです。
そのため、まずは金融機関に対して相談をすることで解決を図るのが、もっとも一般的となるでしょう。
たとえば返済期間を伸ばすことができれば、必然的に毎月の支払金額は低くなります。
もちろん住宅ローンの完済年齢は、その分だけ高くなってしまいますが毎月の支払いはグッと楽になります。
また転職活動中や年金受給開始まで一時的に収入が減少している場合、一定期間の繰り越しを検討する方法もあります。期間終了後の支払い額が上昇することになりますが、無収入期間の支出を抑えられるというメリットがあります。
住宅ローンの借り換えで金利を減らす
借入している住宅ローンの金利が高い場合、低金利な商品へ借り換えを検討することにより支払金額を抑える方法もあります。これは退職時だけではなく、現役で働いているときも有効です。
ただし住宅ローンの借り換えは『新しい住宅ローンを借りる』ことになるため借入審査の対象となります。その場合は老齢基礎年金など公的年金以外の収入(私的年金など)が求められます。
また住宅ローンの借り換えには手数料が必要となるため、住宅ローンの残額が少ない場合や、金利が大きく下がらない場合は注意が必要です。
目安は住宅ローン残額が1,000万円以上、借入期間が10年以上、そして金利が1%以上低くなることです。
新たな収入の確保
公的年金の支給要件の範囲内になりますが、新たな収入の確保として働くという選択もあります。資格を有している場合や専門的な技術を身に着けている場合、企業側も即戦力を低賃金で雇用できるメリットがあり、雇用市場が活性化しています。
リバースモーゲージ・リースバックを利用する
聞きなれない言葉ですがリバースモーゲージ・リースバックは最近、多く利用されている住宅のシステムです。
リバースモーゲージとは、自治体や金融機関が主に実施している制度であり『自宅を担保としてお金を借りる』仕組みです。
返済は『借入金額に対する利息のみ』となるため、毎月の返済額を大きく減らすことが可能です。
また借入金の返済は『死亡時に担保とした自宅を引き渡すこと』で完済となり、残額が発生しても相続人に請求されることはありません。
リースバックは不動産会社が主として実施しており『自宅を売却してお金を受け取る』ことと『売却した自宅を借りる』ことを併せた仕組みです。
現金と住処の両方を確保できることが大きな特徴です。
どちらも自宅の所有権を持ち続けることは難しいですが、住宅ローンの問題を解消したうえで住み続けることができることが利点です。
定年退職後であれば、これらの制度がおすすめです。
上記のほか、売却の手段として買取や任意売却もあります。
こちらの記事で解説をしているため、確認してみてください。
まとめ
失業や退職後、または思いがけず働けなくなるなどで、住宅ローンの支払いが苦しくなることは、誰にも起こりうることであり、珍しいことではありません。
実際に支払いが苦しくなった時は、今後の見通しやライフスタイルをもとに、専門家にも相談しながら自分に合った解決方法を選んでください。
ネットの不動産屋さんならWEBURU(ウェブル)
WEBURUは、オンラインに特化した不動産仲介サービスです。
売却の相談から売買契約まで、原則オンラインで対応をしています。
WEBURUで売却するメリット
・夜間に相談できる(オンライン相談は24時まで対応OK)
・仕事のあと、帰宅してから相談や契約ができる
・交通費や、移動にかかる時間を節約できる
・電子契約では、印紙代がかからない
忙しくてなかなか仲介会社に相談に行けない方や長時間の外出が難しい方、時間を効率的に使いたい方におすすめです。
また、仲介だけではなく買取にも対応しております。
WEBURUでは、誠実さを大切にしており、媒介契約を取得するためだけの誇張した査定はいたしません。
住宅ローンに悩んでいて自宅マンションの売却を検討している方をはじめ、一人ひとりに合わせたマンション売却サポートをいたします。
ぜひ、気軽にご相談ください。