ケーススタディで学ぶ!マンション売却でかかる税金シミュレーション
更新日: 2023.03.10目次
マンションを売却するとき、税金を支払うことは知っていても、どれくらい金額がかかるのかいまひとつ把握できていない方も多いのではないでしょうか。
この記事で分かること
・マンション売却でかかる税金の種類が分かる
・ケーススタディで税金の計算方法が分かる
・節税に役立つ3つの控除が分かる
マンション売却でかかる税金の種類
マンション売却でかかる税金には、「売却益がでたときにかかる税金」と「一律でかかる税金」の2種類があります。
売却益がでたときにかかる税金
譲渡所得とは、土地や建物といった資産を売却することによって生ずる所得のことです。譲渡所得にかかる所得税、住民税、復興特別所得税を総称して、譲渡所得税といいます。
譲渡所得税は、マンションを所有していた期間によって税率が変わる点を押さえておきましょう。所有期間が5年を超えている場合の税率は20.315%、5年未満の場合の税率は39.63%です。
譲渡所得税は、売却益がでたときのみ支払う税金のため、購入価格より売却価格のほうが大きく下回る場合は支払う必要はありません。
一律でかかる税金
マンションを売却して利益がでない場合も、印紙税と登録免許税は納めなくてはなりません。
印紙税
印紙税は、売買契約書に貼る収入印紙にかかる税金のことです。印紙税の金額は、マンションの売却価格によって異なります。
参考:国税庁 | No.7108不動産の譲渡、建設工事の請負に関する契約書に係る印紙税の軽減措置
印紙税を納めないと、本来支払うべき印紙税の3倍に相当する過怠税を徴収されてしまうため、十分注意しましょう。
ちなみに、通常の契約では印紙税がかかりますが、電子契約では印紙税が不要になるケースがあります。
こちらの記事で解説をしているので、ぜひ読んでみてください。
登録免許税
登録免許税は、抵当権抹消手続きにかかる税金のことです。マンションに限らず、住宅ローンを組んで不動産を購入したときは、該当の不動産に抵当権が設定されます。
住宅ローンの残債がある不動産を売却する際は、ローンを完済して抵当権抹消手続きをしなくてはなりません。このとき、登録免許税の支払いが必要になります。
登録免許税の金額は、一つの不動産につき1,000円です。マンション一室を売却する場合は、マンションが建っている土地と建物とで別々に税金がかかるため、合わせて2,000円を納めます。
マンション売却にかかる譲渡所得の求め方
次に、マンション売却にかかる譲渡所得の求め方をみていきましょう。譲渡所得の計算方法を押さえることで、マンション売却に必要な税金を把握できます。
譲渡所得の求め方
譲渡所得=マンションの売却代金-(取得費+譲渡費用)
参考:国税庁 | No.3202 譲渡所得の計算のしかた
取得費、譲渡費用について、以下で詳しく説明します。
取得費
取得費とは、売却に出したマンションの購入代金や購入する際にかかった諸費用のことです。取得費には、購入時の仲介手数料や登録免許税などが含まれます。
ただし、マンションのような建物は、年数が経つとともに資産価値が減少するため、償却費用を購入代金から差し引かなくてはなりません。マンションの減価償却費は、次の計算式で算出できます。
減価償却費の求め方
減価償却費用=建物の購入代金×0.9×償却率×経過年数
減価償却費を求める際に必要な償却率も把握しておきましょう。居住用マンションの償却率は、次のとおりです。
参考:国税庁 |「減価償却費」の計算について
マンションを売却するときは、物件を購入した代金をそのまま取得に含められない点に注意しましょう。
譲渡費用
譲渡費用とは、マンションを売却したときにかかった費用のことです。譲渡費用には、売却時の仲介手数料や売主が負担した印紙税が含まれます。
マンション売却の税金をシミュレーションしてみよう
ここで、以下の条件のマンションを売却した際にかかる税金をシミュレーションしてみましょう。売却に出すマンションの条件と試算結果は次のとおりです。
まず、減価償却費を求めましょう。
減価償却費
3,000万円×0.9×0.015×20年=810万円
次に、マンションの購入代金から減価償却費を差し引いて取得費を算出します。
取得費
5,000万円-810万円=4,190万円
続いて、譲渡所得を計算します。
譲渡所得
4,800万円-(4,190万円+166.2万円)=443.8万円
最後に、税金を計算します。
試算結果
443.8万円×20.315%=90.1万円
上記条件のマンション売却時にかかる税金は90.1万円でした。マンションの状態や売却条件によっては、支払う税金も高くなります。売却後に税金の支払いができない状況に陥らないよう、前もってきちんと資金計画を立てましょう。
マンション売却の節税に役立つ3つの控除
マンションを売却したときは、利用条件を満たせば税金の負担を軽くする特例を受けられます。ここでは、マンション売却の際に役立つ3つの控除をご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
3000万円の特別控除
3,000万円の特別控除とは、居住用財産を売却したときに、所有期間に関係なく譲渡所得から3,000万円を控除できる特例のことです。
3,000万円の特別控除を適用できた場合、売却益が3,000万円以下であれば税金はかかりません。
ただし、3,000万円の特別控除は一度利用すると、再び利用するまでに2年以上期間を空けなくてはならないほか、新居を購入するときに住宅ローンの控除を利用できなくなります。
マンションを売却した後、新居の購入を検討している方は、3,000万円の特別控除と住宅ローン控除のどちらを適用したほうが減額できるか計算してから決めると良いでしょう。
なお、この特例は、居住用財産を対象としたもののため、投資用マンションを売却したときは利用できません。
参考:国税庁 | No.3302 マイホームを売ったときの特例
所有期間10年超えの軽減税率の特例
売却するマンションの所有期間が10年を超えている場合、長期譲渡所得の税率を通常よりも低い税率で計算できます。
この軽減税率の特例は、3,000万円の特別控除と併用可能です。
適用要件
・自分の住んでいる家を売却するか、家と一緒に敷地を売却すること。
・マンションの所有期間が10年を超えていること。
・親子や夫婦といった特別な関係の相手に売却したものでないこと。 など
参考:国税庁 | No.3305 マイホームを売ったときの軽減税率の特例
特定の居住用財産の買換え特例
特定の居住用財産の買換え特例とは、一定条件を満たせば売却益に対する課税を将来に繰り延べられる特例です。
この特例を活用できた場合、買換えた住まいを売却するときまで税金の支払いを繰り延べられます。
ただし、税金が減額されたり非課税になったりするわけではない点に注意が必要です。買換えた住まいを売却するときに、前回売却した住まいの課税分を支払う必要があります。
適用要件
・マンションの所有期間が10年を超えていること。
・同時に3,000万円の控除を受けていないこと。
・売却代金が10,000万円以下であること。 など
参考:国税庁 | No.3355 特定のマイホームを買い換えたときの特例
よくある質問
Q1.譲渡所得税に含まれている税金は何ですか?
譲渡所得税には、「譲渡所得にかかる所得税」「住民税」「復興特別所得税」が含まれています。
Q2. 購入価格を売却価格が下回ったときも、譲渡所得税は必要ですか?
売却益が出なかった場合は不要です。
Q3. 印紙税を納めないとどうなりますか?
本来支払うべき印紙税の3倍に相当する過怠税を徴収されてしまいます。
なお、電子契約では印紙は不要です。
Q4. 抵当権抹消登記の費用はいくらですか?
1つの不動産につき1,000円です。土地と建物の場合はそれぞれ1,000円かかるため2,000円です。
Q5. 譲渡所得の求め方を教えてください。
譲渡所得の求め方
譲渡所得=マンションの売却代金-(取得費+譲渡費用)
Q6. 減価償却費の求め方を教えてください。
減価償却費の求め方
減価償却費用=建物の購入代金×0.9×償却率×経過年数
Q7. マンション売却の節税に役立つ控除はありますか?
「3,000万円の特別控除」「所有期間10年超えの軽減税率の特例」「特定の居住用財産の買換え特例」などがあります。
Q8. 税金について詳しい情報を知りたいときはどうすればよいですか?
国税庁のサイトで確認するのが確実です。
https://www.nta.go.jp/
まとめ
マンション売却時の税金は、仕組みが複雑で聞きなれない言葉も多く、難しく感じるかもしれません。しかし、すべてを理解しなくても税金の種類や計算方法を把握しておくことで、スムーズに取引しやすくなります。また、節税に役立つ控除も押さえ、損をしない売却を実現しましょう。
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