築30年のマンションはどのくらいの価値がある?売却のコツも解説
更新日: 2023.03.14目次
購入した分譲マンションも、買主とともに年齢を重ねていき、そして人間と同じように節目の年齢をむかえていきます。
最初の節目とされる年齢は「10歳=築10年」で、これは設備や建具などの減価償却期間(耐用年数)が経過し、ある程度のメンテナンスが必要となるタイミングです。
そして次の節目となるのが、今回のテーマでもある「30歳=築30年」となるタイミングです。
人間でも若手と呼ばれる20代を経過すると、大人として歩みを始める頃合いであり、マンションも同様に「大人」となり、さまざまな要件に変化の兆しが見えるものです。
そして、中古マンションの市場においても『築30年未満』という条件で検索がされるようになるなど、資産価値がガクッと落ちていきます。
築30年以上経過したマンションが売れにくい理由と対策
そもそも中古マンションを購入するときに考える条件は、新築のマンションと同様な「販売価格」「広さ」「立地」だけではなく「劣化状況」と「築年数」が含まれます。
この築年数のフィルターは、5年刻みで考えられるのが一般的であり、築30年未満であることが大きなポイントです。
そもそも30年を経過したマンションについては、金額が市場より安いなどの付加価値がなければ、候補とならないことが『築30年以上経過したマンションが売れにくい』の大きな理由といえます。
新耐震基準をクリアしていない
1981年6月1日に施行された、新耐震基準を満たしているかどうかは重要なポイントです。
施行前の基準では震度5までに震災を想定していましたが、新耐震基準では震度7までを想定しています。
2022年現在において、築40年未満のマンションについては新耐震基準を満たしていますが、それ以前については建築確認日が施行日の前なのか、後ろなのかでも判断ができます。
設備や建具の経年劣化によりリフォームが必須
築30年を経過すると、水回りや電気・ガスの設備や建具など、多くの不具合が発生するものです。また配管のつまりや腐食など、目に見えない問題も少なくありません。
こうした損傷や不具合は、長い期間において生活をしているのであれば、当たり前ともいえます。これらを解消するためにはリフォームやリノベーションを含む、修繕が必要です。
本来であれば、不動産売却時には最低限の修繕だけを実施し、リフォームは買主が購入後に実施するのが理想です。ただし、築30年を経過したマンションを売却する場合は『全面フルリフォーム』の文字があるかどうかにより、売り出し時の反応が大きく異なってきます。
建物の仕様が古すぎる
新築マンションと30年以上前に建築されたマンションを比較すると、その仕様や設備に古さを感じることでしょう。
こればかりは十年一昔という言葉があるように、ある程度は仕方がありません。
これは、前述した全面フルリフォームの中で解消して販売するのか、または割り切って価格を下げて販売するのか、状況に応じて判断します。
大規模修繕に対する積立金が不足している
マンションにおける管理組合の運営は重要で、管理がしっかりしているほど、建物の修繕が計画的に実施されていることで、資産価値が保たれやすく、快適に暮らすことができます。
反対に管理組合の運営に一貫性がない場合は、大規模修繕の計画も不透明になりがちです。結果として適切な修繕が実施されず、建物自体の老朽化が進んでいることも少なくありません。
また、修繕積立金が不足している場合は、必要に応じて修繕一時金を入居者から徴収される可能性があります。これは管理組合の臨時総会などで決議されますが、必ずといえるほど「もめるもの」です。
一時金を払いたくない住民と、老朽化の対処をおこないたい住民とでは大きな溝があるからです。
修繕計画が順調であること、大規模修繕への計画に無理がないことは、マンション売却時においては隠れている大きな問題といえます。
マンションには耐用年数が設定されています。住んでいるマンションがあと何年住めるのか気になる方はこちらの記事もご覧ください。
築30年以上経過したマンションの傾向
マンションを売却する際に、築30年以上経過している場合、同じような傾向が見られます。
やはり購入時の価格と比較すると、その値段は大きく低下します。また、売却成立率も同様に落ち込んでいくでしょう。
一言であらわすならば、早く高く売ることは難しくなっているのです。
売却価格は50%程度まで低下する
築30年を境目として、その売却価格は平均して50%程度まで低下します。
戸建ての場合は、経年劣化などが発生しない「土地」があることから、そこまで値崩れしない傾向にありますが、マンションの場合「土地の部分所有」であり、好きなように建替えなどができないことも影響します。
分譲マンションが初めて登場してから70年弱の間において、管理組合の総会にて建替決議案が制定された事例も多くはなく、そもそもマンションの建替えに関するフローが整理されていないことも、影響しているでしょう。
築20年以上から売却成約率が一気に低下する
ここまで説明したとおり、築年数でフィルターをかけて検索(不動産会社に仲介の依頼をふくむ)ことから、物件の状況や付加価値以前の問題として、検討する候補から外れてしまうことがあります。
一般的に築20年からフィルターが行われるようになり、一気に売買の成約率が落ち込みます。これが築30年以上となると『この金額より安いのであれば、多少は古くても我慢する』となるため、今度は金額との兼ね合いがはじまります。
ただし、高度経済成長期の後期に見られたマンションの建設ラッシュにより、築40年以上のマンションが大量に市場へ出回っており、それらが大きく値崩れをしていることから、金額面での競争も容易ではないのが現状です。
ある程度の値下げを実施しなければ売れ残る傾向に
結論として築30年を経過したマンションは、後述する付加価値が大きくない限り、ある程度の値下げを実施しなければ売れ残る傾向が見られます。
売買成約実績から考えると、周辺相場より2割程度落とすことが、早期売却の鍵といえるでしょう。
老朽化しても資産価値が下がりにくいマンションとは
ここまで築30年が経過したマンションの価値について、お話してきましたが、一方で資産価値が下がりにくいマンションも存在します。
これらに共通していえることは、立地とメンテナンスという『後からは改善することが難しいこと』です。
それだけに、将来的にマンションを売却することも視野に入れるのであれば、資産価値が下がりにくいマンションを念頭にいれておくことがおすすめです。
立地が良い
立地はあとから変更することができない、重要な要件の1つです。
新築マンションを購入する際に、主に検討される「販売価格」「広さ」「立地」について、売却価格は売主でコントロールが可能です。
広さについて総面積は変更が不可能ですが、リフォームやリノベーションにより3DK⇒2LDKにすることなどは可能です。
しかし立地だけは変更することが一切できないことから、購入時にはよく考える必要があります。
また、代表的な資産価値の下がりにくい立地としては、駅までの距離が近いことが考えらるでしょう。
子育てに必要な環境が整っている
また駅までの距離が遠い場合でも、子育てに対して施設が充実していることも人気になりやすいポイントです。
具体的には、近年の課題となっている「待機児童の問題」を解消するために、保育園が多い地域は、需要が高く資産価値が落ちにくい傾向にあります。
特に、ここ数年においてはコロナウィルスの流行により、テレワークが主流となったことから、通勤時間に対する比重が低くなり、その分だけ子どもへの比重が高くなっています。
保育園をはじめとして、小児科や公園、また赤ちゃんが集まれるようなベビー教室などが充実している地域は、検索フィルターにおいて築年数でも価格でもなく「地域」が優先されるため、結果として高値で売却しやすいものです。
大規模修繕を計画的に実施している
築30年以上が経過したマンションの不安といえば、やはり修繕についてです。
そもそも、きっちりと修繕がされていて「大丈夫なのかどうか」は中古マンションで気になるところです。
いざ購入してみたところ、大規模修繕の費用がないから追加で徴収が必要となれば『それまで住んでいなかったのに!なんで自分が!』と考えるのは当然でしょう。
大規模修繕の計画がしっかりしており、その費用に対する準備ができているかどうかも、マンションの価値に大きくかかわってきます。
築30年以上でも人気のマンションの中には「ヴィンテージマンション」と呼ばれるものもあります。
こちらの記事では、ヴィンテージマンションの特徴や魅力について解説しています。
よくある質問
Q1. 築30年のマンションは売れないマンションですか?
築30年のマンションは一概に売れないマンションという訳ではありません。
管理状態や建物の状態が良いマンションはすぐに買い手がつく場合もあります。
Q2. マンションが新耐震基準かどうかを調べる方法はありますか?
建築確認日を見ることで確認できます。分譲マンションであれば購入時の書類に記載があると思いますので、確認してみてください。
Q3. 経年により劣化しやすい箇所はどこですか?
水回りは劣化しやすいです。また、給湯器などの設備も故障しやすいです。
他にも、扉や網戸など毎日動かす場所も劣化しやすいです。
Q4. 築30年のマンションで、金銭的な懸念はありますか?
経年により、建物そのものの修繕が必要になります。大規模修繕のための積立金が十分でない場合は一時金が徴収されたり、月々の支払いが増加したりすることがあります。
Q5. 築年が古くても人気があるマンションはありますか?
あります。中には「ヴィンテージマンション」として人気があるマンションもあります。
Q6. 築年が古くても資産価値が下がりにくいマンションの特徴は何ですか?
立地が良い、生活環境が良い、大規模修繕を計画的に実施している、管理状態が良い、などです。
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